[生徒会室] 立華 かなで :
[生徒会室]
立華 かなで :
「……後はやる」
[生徒会室]
立華 かなで :
積まれている資料などを、自分の机にまで持っていって
他の人を帰らせるように
[生徒会室]
立華 かなで :
逢魔時も過ぎ、すっかり暗くなった生徒会室で
黙々と作業を続ける
[生徒会室]
立華 かなで :
一息。
作業も佳境を過ぎ、残りは別に他の時間にも終わらせられる
[生徒会室]
立華 かなで :
ふと、昨日の事を思い返す
夢のようで、夢ではなかった
[生徒会室] 立華 かなで : あの遊園地を
[生徒会室] 立華 かなで : 夢のようで、夢でなかった
[生徒会室] 立華 かなで : 明確な、異常を
[生徒会室] 立華 かなで :
[生徒会室] 立華 かなで : 何度か、他人を見送った
[生徒会室]
立華 かなで :
その度に、よかったねと
[生徒会室] 立華 かなで : 他人事のように、何度か
[生徒会室] 立華 かなで :
[生徒会室] 立華 かなで : もしもこれが、他人事で終わらなかったら
[生徒会室] 立華 かなで : 知っている人が、向こうに行ってしまうのなら
[生徒会室]
立華 かなで :
その時もまた、同じように
よかったねと、言えるのだろうか
[生徒会室] 立華 かなで : 普段の凛々しい雰囲気とは一転して、ペンを持つ手が震えるのを感じる
[生徒会室]
立華 かなで :
「迂闊に動かないで
1人で無理をしないで」
これも結局は、その一環なのだろうか
[生徒会室]
立華 かなで :
「……それは、いや」
1人、震えたような声で
[生徒会室]
立華 かなで :
心配を、かけさせないで
[生徒会室] 立華 かなで : …………
[生徒会室] 立華 かなで :
[生徒会室]
立華 かなで :
……その時のための
練習がてら、少し窓の方を向いて
[生徒会室] 立華 かなで :
[生徒会室] 立華 かなで : 「良かったね」
[生徒会室]
立華 かなで :
笑顔ではあったが、その声は
[生徒会室] 立華 かなで : まだ、震えていた──────
[生徒会室] :
[生徒会室] :